2007年9月21日金曜日

筆跡鑑定

 最近よく相続問題の相談が来る。
 相続争いで問題となるのが,亡くなった人が書いたとされる遺言書や資料

 Booの探偵事務所は,東京鑑定事務所と連携して依頼人の期待に応えるべく頑張っている。
 東京鑑定事務所は,北朝鮮から提出された横田めぐみさんが書いたとされる文書など,数々の大事件の鑑定を手がけている権威あるところだ(;゚゚)

 先般も,民事の相談を受け,鑑定をお願いしたら,みごと偽造文書と見破っていただいた。

 亡くなった人が書いた文書を偽造して裁判所に提出する行為は
     有印私文書偽造・同行使
という刑法犯罪である。

 いくら,お金のためとはいえ,よくやるものだと感心してしまう(--;)

 裁判所も,確たる証拠がないと,その文書を証拠資料として採用して理不尽な判断を下す。
 それに対抗するには,筆跡鑑定しかない。

 じゃあ,Booは何をするかというと,闇雲に鑑定をお願いしても膨大な費用が係り,期待した結果が出ないことがあるから,相談者から良く話しを聞いて,最小限で最大の効果がある鑑定をしてもらうことである。

 民事とはいえ,刑事幹部として長年やってきたことが,探偵でこれほど役に立つとは思わなかった。

 「もうだめだ」って,半分あきらめていた相談者が笑顔で帰るのが非常にうれしい(^_^)b
 今日も,「遺言書が怪しい」という相談者が来た。
 最初は引きつって疲れ果てた表情だったが,帰るときは笑顔になっていた。

 探偵も人のために役立てるって改めて思った。

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2007年9月17日月曜日

世田谷線のおばあさん

 出張の調査で初めて世田谷線に乗った。
 2両編成のバスみたいな電車で,なんかのんびりした感じて良かった。
 Suicaも使えるし,途中駅は改札もなく,電車の中で清算する(^_-)

 今回は,裁判資料の収集と聞き込み。
 探偵の仕事の中では,結構警察に近い内容で,Booは好きである。

 運良く1時間程度で仕事が終わり,帰りも世田谷線に乗った。

 電車は結構混んでいて,当然立っていたが,途中の駅で腰の曲がったおばあさんが乗ってきた。
 つり革にもやっと手が届く小柄なおばあさん・・・・

 座っていた制服姿の女子中学生が,さっと席を立っておばあさんに「どうぞ」って席を譲った。
 「いまどき,なんていい子なんだ」と微笑ましい光景だった・・・そこまでは・・・

 ところが,このおばあさん,おおきなお世話だと言わんばかりの態度で「いい」と言って座らない。

 席を譲ったかわいい女子中学生は立場がない様子だった。
 実は,Booも同じ経験がある。
 それ以来,席を譲るのがいやになるくらいやな気持ちだった。

 なんで,人の好意を素直に受けられないんだろう・・・・

 譲った人の気持ちはどうなるんだろう・・・・

 なんか,悲しかった・・・・・(--;)


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2007年9月14日金曜日

徹夜・・・4

 そこで見たものは・・・・
 まさにシャワーを浴びて強姦される寸前の被害者と被疑者だった(--〆)

 滑り込みセーフ・・・
 被疑者を逮捕監禁罪で緊急逮捕し被害者を保護した(*^_^*)

 しかし、それからが大変、緊急逮捕した場合は、概ね3時間以内に被疑者の逮捕状を請求しなければならない。
 そのためには、認知の報告書や届出人、被害者の供述調書、被害届け、現場の写真撮影報告書そそして、メインの緊急逮捕手続き書を作成する必要がある。

 急いで署に戻り、手分けして書類を作成する。
 みんな、必死である。
 時間を超過してしまうと、逮捕状が却下され被疑者を釈放しなければならない羽目になるからだ。

 そして、午前5時、やっと裁判所へ逮捕状の請求に走る・・・
 午前6時過ぎ、逮捕状が発付され、やっと逮捕の手続きが終わった。

 その日は、そのまま勤務((+_+))
 何故かというと、逮捕した場合は48時間以内に被疑者と書類を検察庁に送致しなければならないからだ。

 逮捕したからといってのんびりする暇はない。
 そうこうして、家に帰ったのが午後8時。

 つまり、刑事一係は丸二日徹夜だったのだ('_')

 これで、車を運転して帰宅するのだから、過労運転だ。
 いいのかなぁ・・・・・

 まあ、それは別にして、刑事にはこのようなことがしょっちゅうある。
 ホントは、ほかの警察官より給料を上げてもらいたいくらい、ひどい勤務に耐えている。
 それを支えるのは、刑事としての意地とプライドと正義感にほかならない。

 こればっかりは、体験した人でないとわからないと思う・・・・・
 現職のみなさん、がんばって・・・(^_^)v

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2007年9月13日木曜日

徹夜・・・3

 事件は昨晩より悪い(--;)
 カップルの車がバイパスで乗用車を追い越したら,その車が追いかけてきて前を塞がれ,停止したら男が二人降りてきた。

 一人は匕首(ドス)を持って二人に因縁を付け,女性を車に乗せて立ち去った。
 男性の方が110番通報して警察に届け出たというものである。

 もちろん,緊急配備して犯人を追跡してはいるが見つかっていない。
 一刻も早く犯人を捕まえないと女性の身が危ない。

 男性から事情を詳しく聞くと,犯人の車種とナンバーの一部が判明した。

 もしかすると,ホテルに連れ込まれているかも・・・・

 そう思って,管内と隣接署管内のホテルに車両を手配するとともに,非常招集した署員を管内の検索に充てる。

 そうしたところ,午前1時近くになって,隣接署のH刑事(Booの警察学校の同期)から電話が来た。

     うちの管内のホテルから,似た車が入ってるって通報が来たよ

との内容。

 そのホテルは,N署管内からすぐのホテルで真報の可能性が高い。
 刑事課員と機動捜査隊を動員しホテルに急行した。

 ホテルの従業員から部屋を教わり,鍵を借りた。

 そして,午前2時前,鍵を開けて部屋に踏み込んだ。

 そこで見たものは(;゚゚)・・・・・・次回に続く

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2007年9月11日火曜日

徹夜・・・2

 事件が急展開と言うより,あっけない幕切れだった(--;)
 午前8時に,さらわれたハズの妻が帰宅したのだ(;゚゚)

 事情を聞いてみると,Oとは昔から付き合いがあり,金銭問題の話し合いをしていたとのこと。
 しかも,普通に迎えに来て,自分から車に乗って一緒にドライブがてら一晩中話していたそうだ(`´メ)

 夫も夫で,ヤキモチのあまり警察に妻がヤクザに連れて行かれたと通報したとのこと。
 やってらんなかった(`´メ)

 一晩中探し回り徹夜した刑事はどうなるんだ・・・・
 疲れ果てた体でその日も勤務に就いた。

 不思議なもので,徹夜した翌日の午前中は何故か気分がハイになり,疲れている感じがしない。
 妙に張り切ったりして仕事もバリバリやる。

 ところが・・・・
 昼食を食べて午後にはいると一気に疲れが出てくる(;_;)
 夕方なんて顔が脂汗でベタベタになる。

 それでも,何とかつとめを終えて自宅に帰り,午後10時にやっと横になれた(^_^)b

 しかし,ようやく寝付いた午後10時半,再び当直から呼び出しの電話が・・・・・
      逮捕監禁事件で女性がさらわれたので来て下さい
だって(;゚゚)

 んっ???

 どっかで見たシチュエーション???
 そう,夕べと同じ展開である。

 早速,当直に「夕べの逮捕監禁は解決済み」と言ってみたが
      夕べのとは違います,とにかく来て下さい
だって(`´メ)

 当直は,我々が一睡もしていないなんて知るよしもなく,冷たく言い放つ・・・・・

 まぁ,仕事だし,本当なら大変な事件である。
 這うようにしてやっと出勤した。

 当直から詳しい話を聞くと,事件と言うのは・・・・・・次回に続く


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2007年9月8日土曜日

徹夜・・・

 刑事が徹夜することはよくある(--;)

 例えば,N署刑事第一係長時代夜10時半ごろ,自宅に帰ったら,すぐに当直から
     逮捕監禁容疑事件が発生したので来て下さい
と電話があった。

 行ってみると
     妻がヤクザに連れて行かれた
とのこと(;゚゚)

 すぐに係を招集し心あたりのヤクザを探した。

 容疑者はすぐに判った,M町のOである。

 O宅に行ってみると奥さんが一人でいたので話を聞いたが,Oは夕方外出したまま帰っていない。
 県下に緊急配備をしいて探したが結局朝まで見つからなかった。

 しかし,午前8時ごろになって,事件は急転回した・・・・・次回に続く


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2007年9月4日火曜日

鑑識検定

 検定には
   指紋
   写真
   足痕跡
   科学鑑識
がある。

 それぞれ,筆記試験に合格すると実技試験があり,実技に合格すると合格証書がもらえる。
 まあ,警察内部の資格だから,一般には関係ないが,逆に言えば警察官でないと取れない資格である。

 なかでも,難関が指紋・・・・
 特に指紋の照合が難しい。(大半がこれで落ちる)

 現場の指紋と被疑者の指紋を照合し,どの指紋がどの指のものか照合するが,現場の指紋は白いのに対し,被疑者指紋は黒・・・

 これを比べて特徴点を合致させ照合する。

 簡単だと思う人もいるかも知れないが,まあ,やってみないと判らないくらい難しい(--;)

 その次に実技。
 いろいろな検体から指紋を採取するが,Booは電球のほこり指紋が難しかった。
 なぜって,電球は丸いから,それをゼラチン紙に転写するとき,うまくやらないと指紋が割れてしまうのだ(..)

 あとは,写真も難関・・・
 まず,筆記で聞いたこともない被写界深度がどうのこうのっていうのが出てくる。

 実技も,当時はパノラマ写真を撮った。
 しかも,屋上から下を撮るからカメラを水平に動かしたらアウト,左端は左側を上げ,真ん中は水平右端は右側を上げて,しかもつなぎ目が少しダブるように撮る。

 それと接写・・・
 Booのときは,リポビタンのビンについている指紋を接写した。
 リポビタンのビンは丸いから,手前に合わせれば両端がぼけるし,両端に合わせれば真ん中がぼける(;゚゚)

 どうすりゃいいんだぁ・・
 って思う人は素人さん。

 シャッタースピードを最低にして,その分だけ絞りを絞る。
 そうすると被写界深度が深くなり全体にピントが合うのだ。

 みなさんは,知っていましたか??

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刑事と鑑識

 テレビドラマを見ていると,刑事が「鑑識さん・・・」と言って鑑識係に指示する場面が良くある。
 なんか,鑑識より刑事が偉いような印象がある。

 しかし・・・・
 現実は大きな間違いである(`´メ)

 刑事と鑑識,それは車で言えば車両の両輪・・・
 どっちが欠けても捜査は成立しない。

 鑑識係が現場で採取した資料に基づいて刑事が犯人を割り出すことは良くあるし,鑑識係が犯人を割り出して刑事が裏付けをすることもある。

 また,刑事の捜査結果を鑑識係が立証する。

 それが現実の刑事警察である。

 だから,刑事が偉いとか言うのは全くない。
 犯人を検挙して証拠を収集する同僚である。

 最近,探偵として指紋の検出を依頼された。
 事件にならない嫌がらせは警察では捜査出来ない。
 しかし,嫌がらせされている本人にとってはたまったものではない。

 なんとか,解決したいと頑張っている。

 こんな時,刑事をやってて良かったのは,指紋採取が出来るから・・・・
 現場鑑識は,確かに鑑識係が主体だが,全部が全部鑑識係がやるのではない。

 4割は刑事が自分でやっている。
 何故かって・・・鑑識係より刑事係のほうが圧倒的に人数が多いから。

 全部の現場を鑑識係だけでやるのは無理である。

 したがって,刑事は鑑識作業もやるのだ。

 簡単な鑑識は交番の警察官もやる。
 そのため,県警には鑑識検定がある。
 初級と上級・・・・

 ちなみにBooは総合上級(^_^)b

 この経験が探偵で役に立つとは思わなかった。
 まあ,検定の内容は次回のblogで・・・・・・

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