2007年6月20日水曜日

油断禁物

 機動捜査隊員時代泥棒に逃げられそうになったことがある。スーパー駐車場で盗難車両を発見,朝から張り込み開始,昼を過ぎても犯人は現れない。
 泥棒だって馬鹿じゃないどうせ夜にならなければ出てこないだろうとタカをくくっていたそのとき,駐車場を歩いていた一人の若者が突然車に乗車!焦って判断を誤った。
 車は持ち主に頼んで合い鍵を借り,ディストリビューターを外しておいたから,エンジンは絶対にかからない。しかし,思ってもいなかった展開に思わず捜査車を脇に乗り付けてしまった。
 もちろん,犯人は警察と気がついて走って逃走,後を追ったが見失った。
 「こりゃぁ,始末書かなぁ」と思いながら,当時携帯電話なんて無かったから,近くの床屋さんに飛び込んで電話を借り本隊に報告。
 ところが,天は見捨ててはいなかった,電話をしている窓の外をさっきの男が息を切らせながら歩いている。
 すぐに電話を切り,そっと男の背後から忍び寄り,あと1メートルで手が届きそうになったそのとき,気配を感じ取った男が振り向いて目があった。
 当然男は全力で逃げる,俺も必死で後を追いかけたがなかなか追いつかない。
 思わず「逃げると撃つぞ」と警告したが,相手はまったく止まる気配もない。(ホントはそのとき拳銃持っていなかったんだけど・・・)
 犯人ははマンションに逃げ込み階段を駆け上がり,3階の廊下を突っ切って階段を駆け下りた。
 そして,1階におりてターンしようとしたとき,相手が転倒。
 俺は組み付いてもみ合いになる。後ろから首を締め上げ制圧に成功!!
 犯人は苦しがって「逃げないから離してくれ」と頼む。
 ウソつけ,これだけ逃げてなにが「逃げないから」だ,絶対に離すものかって思い,全力で押さえつけ,騒ぎで出てきた住民の方に110番を依頼。
 応援が来るまで約5分,その長かったこと・・・やっと手錠をかけて捜査車両に乗せ所轄署に連行。
 緊急逮捕終了。
 しかし,疲れたの何のって半端じゃなかった。ちなみに,犯人も全力を出し切ったのか捜査車両内で吐いていた・・・・
 後で考えてみれば,どうせまだ現れないと油断して判断を誤らなければ,現場で簡単に逮捕できたのに・・・
 探偵も同じ。どうせまだ対象は動かないだろうと油断すると,ちょっと目を離した隙にいなくなる。
 そうなると,見つけるのは容易じゃない。下手をするとその日の調査がパァになる。
 ホント油断てこわいなぁ・・・・ 

http://www.galu-niigata.com/

1 件のコメント:

KG さんのコメント...

まさかと思っている時に限って
そのまさかが起こることって
ありますよね。
1度逃した犯人にまた出会って
捕まえる事ができたなんて
運の強さを持ってると思います
これからも、その運の強さと
経験を活かしてたくさんの人を
救って下さいね