私は,目撃者の証言は当てにはするが鵜呑みにはしないようにしてきた。
交番勤務の頃,車上ねらい犯人が被害者の女性に犯行を発見され逃走したとの無線指令を受け,すぐに検索に出た。
無線からは,目撃者から聴取した犯人の人着が刻々と送られてきた。
「犯人は学生風の二人組,身長○○位,年齢○○位,着衣・・・・」
すると,対向してきた二人組が手配の人着に酷似している,しかも,制服の私を見て目をそらした。
一旦,すれ違い,様子を見て後ろから背の低い方の肩をたたき「ちょっと・・」と声をかけた。
相手は「うわっ,びっくりした」と振り向き,平静を装う。
「君たち,いまどこから来たの?」「ちょっと,事件があって・・・」と職務質問を始めた。
しかし,一人で二人を質問しても,口裏を合わされてしまう。
そこで,交番に任意同行し,二人別々に話を聞いた。
「持ち物出してくれる?」,「なんか,嘘ついてることないか?」・・・・等質問すること約15分,一人が「車から財布を盗んで,見つかったから走って逃げました,財布は道路脇の材木の陰に隠しました」と自供した。
本人に案内させ,自供した場所で被害品の財布を発見。
交番に戻り,被害者を呼んだ。
交番に入ってきた被害者の第一声は「あ,違います,この子達じゃありません」だった。(--;)
結局,犯人はその二人だった。
被害者は,犯行目撃時は犯人が怖く見える,それで,実物とちがう印象がインプットされてしまう。
その後も,同じようなことが何回かあった。
ただ,着衣はおおむね一致している。
だから,私は現役時代,目撃者の証言は当てにはしたが,鵜呑みにはしないように気をつけていた。
探偵は,犯罪の目撃者とは違い,写真だけ見て対象を発見しなければならない。
相手を間違えて尾行したら洒落にならない(-_-)
写真で特徴を頭にインプットし,即座に対象を発見するように努力しているが,写真と印象が違う場合もけっこうある。
そんなときは,似ていたら追いかける。
まあ,イチかバチかってとこかなぁ。
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